遺言書作成にあたっての注意点

遺留分の侵害が起こっていると、トラブルに発展する可能性が高いため、万が一の事態に向けてこれから遺言書を作成しようと考えている人は、注意点を押さえたうえで行いましょう。遺言書作成にあたっての注意点を紹介します。

相続人への配慮を忘れない

相続が発生した場合は、法定相続人による法定相続分での相続遺産分割協議による相続のいずれかを選択するのが一般的です。

しかし遺言書を作成することによって、法定相続人以外に相続したり、法定相続分と異なる割合での相続を指示することが可能です。

遺言書には、相続方法を指示することで遺産分割を速やかに行いやすいというメリットがあります。一方で、遺留分侵害や第三者の登場により、遺言書の内容に納得できない相続人同士が遺産分割に関して争う恐れがあるという点がデメリットです。

トラブルを回避するためにも、遺留分に配慮した内容にする、話し合いができるのであれば生前に遺言書の内容について話し合うといったように、遺言書を作成する際は相続人への配慮を忘れないようにしましょう。

遺留分の仕組みをしっかり理解しよう

被相続人の作成した遺言書で自身の遺留分を侵害されている場合は、遺留分侵害額請求を行うことにより、侵害された遺産を取り返すことが可能です。

しかし、遺留分侵害額請求で主張できるのは法定相続分ではなく、遺留分が侵害されている範囲のみで、遺言書の内容が無効になるわけではないので注意しましょう。

遺留分を侵害した遺言書の内容は、遺産分割の際にトラブルに発展する可能性が高いため、自身が遺言書を作成する際にも、相続人に配慮しながら作成する必要があります。